きつねくんはお店の数字をちゃんと管理してる?
飲食店で働いて10年目になるけど、そういった難しい話はどうも苦手で。。。
僕は料理を作って接客している方が向いてるよ!
飲食店で働く人にはそういう人も多いよね。
でも飲食店の売上を上げるためには適切な数字管理も重要なんだよ。
今回は飲食店の運営に関する数字を初心者向けに超分かりやすく解説するね!
勉強は得意じゃないけど、ちょっとだけ付き合ってあげるよ
飲食店運営に必要な数字や言葉を勉強したいけど長い文章は読みたくない
難しい話や計算は苦手だから簡単に説明してほしい
接客や調理の腕は一流だけど数字に関しては初心者
売上高
まずは超簡単な数字から!売上高の説明をするね。
売上高は客数×客単価で計算できるよ
ちなみに客単価とはお客さん1人あたりが一度で支払う金額の平均額のことだよ
これはさすがの僕でも分かるよ
そうだよね。
でも、この式はとても大事だから改めて確認しておこう。
例えば、売上が下がっているときは客数が減っているのか、客単価が落ちているのか、はたまた両方落ちているのかをしっかり確認して対策することが大事だよ!
売上高= 客数 × 客単価
原価率
続いて原価!
原価とはメニューに対する材料費
原価率とは販売価格に対する原価の割合のことだよ
うちのお店では250円で仕入れた生ビールを500円で販売しているから
原価250円、原価率50%ってことだね
そういうこと!ここまではみんな理解してそうだね
ここらへんからちょっとだけややこしくなるよ
かなり分かりやすく説明するから最後まで頑張って読んでね!
原価=メニューに対する材料費
原価率=販売価格に対する原価の割合
粗利益と棚卸し
次は粗利益の説明をするよ
粗利益とは売上高ー原価
のことだよ。よく「あらり」って略されるあれね
確かに粗利ってよく聞くよね
ちなみに今月のきつねくんのお店の売上高はいくらだった?
今月は調子良くて売上は400万円だったよ!
原価はいくらだった?
原価は材料費のことだよね。
今月の仕入額の合計は200万円だったよ!
ちょっと待って。
結構、勘違いしがちなポイントなんだけど原価=1ヶ月の仕入額の合計にはならないよ
きつねくんのお店には、先月仕入れたもので今月の商品に使った材料や、今月仕入れたけどまだ使ってない材料があるでしょ?
確かにめちゃくちゃあるよ
じゃあ、正確な原価ってどう調べればいいのさ?
そこで必要なのが棚卸(たなおろし)っていう作業
みんなも月末とかにやるよね?
材料の在庫を調べることで在庫金額を知り、正確な原価を知ることができます。
例えば3月末の棚卸しで在庫額が100万円だったとします。
4月に300万円の仕入れをして、4月末の在庫金額が150万円だった場合
4月の原価の合計は以下のように計算できます。
100万円(3月末の在庫額)+300万円(4月中の仕入額)ー150万円(4月末の在庫額)=250万円
そいういことか!じゃあ、うちのお店の場合だと
50万円(先月の在庫額)+200万円(今月の仕入額)−100万円(今月の在庫額)=150万円
だから今月の原価は150万円ってことだね!
そうだね!
じゃあ、改めて今月の粗利益を計算してみよう
えっと粗利益は売上高−原価だから
400万円−150万円=250万円!
そういうこと!完璧だね!
粗利益=売上高−原価
正確な原価を知るためには棚卸が必要
営業利益
今月250万円も粗利益が出たのに僕の手元には全然お金がない。。。
なんでだ。。。
そりゃそうだよ、お店には原価の他にも色々とお金がかかるでしょ?
ここからは営業利益の説明をするよ
営業利益とは粗利益−販売管理費のことだよ
販売管理費?
販売管理費とは原価以外の営業活動に必要な費用のことだよ。
人件費や家賃、広告宣伝費、水道光熱費などが販売管理費にあたるね。
きつねくんのお店の今月の販売管理費を計算してみて。
えっと、家賃が50万円、人件費が100万円、光熱費が10万円、、、
その他もろもろ合わせると販売管理費は210万円になるよ
ってことはきつねくんのお店の今月の営業利益は
250万円(粗利益)−210万円(販売管理費)=40万円
ってことになるね
営業利益=粗利益−販売管理費
販売管理費=材料費以外のお店の営業活動に必要な経費
変動経費と固定経費
次は変動経費と固定経費について!
たぬきさん、僕なんかちょっと疲れてきたよ
もう少しだから、あともうちょっと頑張って!
分かった。なんとか頑張るよ
飲食店の運営には色々とお金がかかるのは分かったよね?
お店にかかる経費の中には変動経費と固定経費というものがあるよ。
「変動経費」
売上の増減に伴って変動する経費のこと
材料費、人件費(アルバイト)
「固定経費」
売上の増減に関わらず発生する経費のこと
家賃、人件費(社員)、水道光熱費、通信費、宣伝広告費、消耗品費など
確かに材料費やアルバイトの人件費は月によって変動が激しいよ
そうだね。
変動経費に関しては現場の頑張り次第でいくらでも変わる経費なんだ。
だから現場の最高責任者の店長に変動経費の改善を求められることも多いよ。
いわゆるFLコストの改善だね。
げっ!横文字。。。
次章で分かりやすく説明するね
変動経費とは売上の増減に伴って変動する経費
固定経費とは売上の増減に関わらず発生する経費
FLコストとFL比率
FLコストとは材料費(原価)と人件費を合わせた経費
FL比率とは売上に対するFLコストの割合
のことだよ。
FL比率は飲食店の経営において最も大事な数字の一つと言われているからしっかり覚えようね!
きつねくんのお店のFLコストとFL比率を計算してみて。
えっと、原価が150万円で人件費が100万円だったから
今月のFLコストは250万円だね!
FL比率は250万円(FLコスト)÷400万円(売上)×100=62.5%!
大正解!
成長してきたね!
へへへ、調子出てきた。
でもなんでFLコストやFL比率はそんなに大事な数字って言われているの?
当たり前の話だけど経費を抑えた方がたくさんの利益が残るよね。
だからお店としてはなるべく経費を抑えたいんだ。
経費の中で1番コントールしやすいのが原価とアルバイト人件費なんだ。
社員の人件費や家賃は簡単には変動できないからね。
最近増えてるタッチパネルでの注文とかセルフレジはアルバイト人件費の削減、つまりFLコストの削減につながるってことか!
そういうこと!
このFLコストを下げるのは現場、主に責任者である店長にかかっているんだ。
在庫管理をしっかりとして材料の廃棄ロスを減らす
オーダーミスや調理ミスによるロスを減らす
原価率の低いメニューの出数を増やす
少人数でもお店が営業できるようにアルバイトを教育
売上予測をしっかりとして適切な人数でのシフトを組む
作業効率が上がるようなお店のレイアウトを組む
あーできてないことばっかりだ。。。
FL比率は一般的には60%以下に抑えた方が良いとされているよ!
FLコストとは材料費と人件費を合わせた経費
FL比率とは売上に対するFLコストの割合
FL比率は飲食店経営においてとても大事な数値
損益分岐点
最後に損益分岐点について説明するよ!
これで最後だから頑張ってね!
あとちょっとだ。
知恵熱が出そうだけど頑張ろう。
損益分岐点とは売上と経費がちょうど等しくなる点
分かりやすくいうと利益が出始める売上額のことだよ
ほうほう、なんだか難しそうだけど自分のお店の損益分岐点は知っておきたいな
損益分岐点は以下の計算式で知ることができるよ
損益分岐点=固定費÷(1−変動費÷売上高)
うちのお店の場合だと
固定費140万円、変動費220万円、売上高400万円だから
140÷(1−220÷400)=311.11
損益分岐点は約311万円ってことか!
そういうことだね!
お店の黒字化に必要な売上高だからみんなのお店でも計算してみようね
損益分岐点とはお店が黒字化し始める売上額
損益分岐点=固定費÷(1−変動費÷売上高)
さいごに
お疲れ様!
今回はここまでだよ
疲れたー。。。
今まで、なんとなく敬遠してた言葉や数字のことがちょっと分かったよ!
それなら良かった!
他にも色々と難しい言葉や数字があるからまた今度説明するね!